
本年度の王位戦では、全国の皆様から募集した自作ボードやダイスカップを募集しました。
どの作品も力作ばかりです!
本記事ではご提供いただいた作品と制作談をご紹介します!
川上博之さん


制作談
王位戦2022において、自作バックギャモンボードの展示・販売を行うということで、拙作のボードを出品させていただくことになりました。
私のボード作製のコンセプトは「カッコいいボードである」ということです。
私の考える「カッコよさ」のひとつに、ボードの角の部分で木目が繋がっているということがあります。
初期作品から木目繋がりのカッコよさの追求は変えておらず、初期型の留継ぎ(※1)型のボードも4つの角の内3つは木目が繋がるように加工しています。
枠を1枚の板から作り、角を円弧状に曲げれば外側の木目は自ずと繋がりますので、曲げボード、自称hinacoppyボード(※2)を考案・作製しました。
枠材の加工工程は下記です。
(1)櫛状の切込みを入れる。(2)曲げ部分を水で濡らす。(3)型に沿わせてじっくりと曲げる。(4)乾くまで保持する。(5)接続部を接合する。
曲げボードの構想から1号機の完成までに、工具の用意や作業台や治具(※3)の作製などを含めると6年以上かかっています。
曲げボードは2021/5に1号機が完成してから本稿執筆時点までに5台作製しています。内1台は見染められ嫁いでいきました。
今回は留継ぎ型ボードを2台、曲げボードは王位戦までにもう1台作製して5台を出品予定です。他にはダイスカップも出品します。
作者には多々のアラが見えます。
バックギャモンをゲームするには支障はありませんので、購入される方々には多少のアラは大目に見てくださいますようお願いいたします。
※1 留継ぎ:木端を45度で加工して接合部に木口が見えないようにする加工方法
※2 hinacoppy:バックギャモン界隈で私が使っているアカウント名
※3 治具:加工作業における作業の効率化・省力化のための補助器具
販売情報
- ボード:40000円
- ダイスカップ:1つ3000円、ペア6000円
ノスゲムさん



制作談
ある時、外国の美しいバックギャモンボードが目に留まりました。
こんな美しいゲーム盤があるなんて!と驚きました。私はバックギャモンというゲームも知らなかったのですが、そのボードは美術品のように美しいのにゲームという遊びに使われるものであり、実用的でありながら装飾品でもあるその作品に魅了されました。
しかし日本ではそのような装飾的なギャモンボードを売っているのを目にしたことがなく、それならば自分で作ってみようと思ったのが制作のきっかけです。
ゲームもできて、そしてプレイしない時は絵画のように飾っておける一枚の絵のような仕上がりにしました。ゲームをする人もしない人も、あれは何かしら?と会話のきっかけになってもらえると嬉しいです。
【ご注意】ウッドバーニング(焼き絵)という技法で制作しています。ウッドステインとニスで着色していますが焼いた線は紫外線に弱く、日差しの強い場所に長時間置いておくと退色します。
ボードサイズ64cm×49cm(※半分には折りたためません)
駒サイズ 直径3.8cm
販売情報
- ボード:57600円
律さん


制作談
バックギャモンを自作してみたいと思ったきっかけは、SNSで見かけたウッドバーニング作家のノスゲムさんのバックギャモンボードの写真でした。息を飲むような美しさで、自分でもクラフトバンドで作れないだろうか、とずっと頭の片隅にありました。
周りの友達もゲームマーケットに出店したりしてて、ボードゲームやグッズを作っていたので、ボードゲーム関連の何かを作りたい気持ちはありました。
それから何度か作ってみましたが、苦労した点は、バーの厚みをつけることと、ポイントの細長い三角形を交互に色違いに編むにはどうしたら良いものかと頭を悩ませました。
本やSNSで編み方の技法を見て、これなら行けそうだと作ったものをTwitterに上げたら景山プロや望月さんに反応して頂き、思いきってフェスティバルで物販させて頂きました。
このボードの特長は、まず非常に軽いです。Lボードでも子どもや女性が楽に 持ち運べる重さです。
また見た目が可愛らしく、薔薇の花のチェッカーは、プライムを作ると非常に綺麗です。ボードは民芸品のような面持ちを楽しんで頂ければ幸いです。
色も多様にあるので、お好きな色でお作りいたします。
販売情報
- ボード:50000円
- ダイスカップケース(カップの中にダイスが4個収納できるもの):1つ3000円
3名の方々の作品と体験談をご紹介させていただきました。
ぜひ当日、王位戦会場まで実物を見に来てみてはいかがでしょうか!?